今回は、東京の都心周辺を循環する、日本で最も乗降客数が多いとして有名なJR山手線に注目して不動産市場動向を調べてみましょう。
JR山手線には30の駅がありますが、1日の利用数が多い駅トップ5はこちらの駅です。
1位 新宿駅 (約120万人/日)
2位 池袋駅 (約92万人/日)
3位 東京駅 (約69万人/日)
4位 渋谷駅 (約59万人/日)
5位 品川駅 (約50万人/日)
1位から5位までのどの駅も、私鉄や高速鉄道が何路線も乗入れているターミナル駅です。
これらの駅周辺の不動産市場動向も気になります。
2024年3月~6月の平均売買平米単価、月末在庫件数、取引量のデータを元にJR山手線各駅周辺(半径750m)の不動産市場動向を分析してみました。
平均売買単価 トップ3
平均売買単価は、需要の高さを表すバロメータです。上位の駅ほど人気が高い駅と言えるでしょう。
- 有楽町駅
- 神田駅
- 品川駅
ただし、3月から6月の変化率でみると結果が変わります。価格上昇率が高かった駅は次の3駅でした。
- 神田駅
- 西日暮里駅
- 田端駅
月末在庫件数 トップ3
在庫件数は、供給と需要の関係を表します。在庫件数が少ないほど供給に対して需要が高く、価格が上がりやすくなります。
今回は特に住宅数の少ない東京駅前後の3駅が上位を占めました。
- 東京駅
- 有楽町駅
- 神田駅
ただし、3月から6月の変化率でみると結果が変わります。月末在庫の減少率が高かった駅は下記の3駅です。
- 駒込駅
- 田町駅
- 恵比寿駅
取引件数 トップ3
取引件数は、人々の関心度を表します。取引量が上がっている時は、当該エリアに対する人々の関心が高く、より多くの買い手候補を見つけやすくなります。
- 五反田駅
- 目黒駅
- 田町駅
ただし、3月から6月の変化率でみると結果が変わります。取引量の上昇率が高かった駅は下記の3駅です。
- 新宿駅
- 田端駅
- 原宿駅
東京駅周辺は、住宅自体が少なく希少性が高いため在庫が少なく価格が高い傾向があるものの、実際の取引量はあまり多くないことが分かります。 乗降客数上位5駅は似たような傾向がりますが、取引量の上昇率で新宿駅が1位となったように、物件さえあれば、需要自体は低くなさそうだと推測できます。 在庫の減少率が高かった駒込駅、田町駅、恵比寿駅、取引件数が多かった五反田駅、目黒駅、田町駅それぞれは、単価が高すぎず、物件数も十分にあるため、不動産取引の活性が高いエリアと言えそうです。
今回はJR山手線に注目して、各駅の不動産市場動向について、ランキング形式で解説しました。各駅の実際の数値は表にてご確認いただけます。
今後も路線ごとに駅周辺の不動産市場動向を分析していきたいと思います。
お楽しみにしていてください。