Hitomi KATO
加藤 瞳
本やWeb記事を手がけるライター。18年間の会社員時代に「伝わる文章」を追求し続けた。読者からは「非常に読みやすい」と評価いただいている。2019年に大家業を開始。夫婦で作った合同会社の代表を務める。4児の母。
みなさんこんにちは。岐阜県で築27年の賃貸アパートを経営している加藤瞳と申します。
2019年、不動産投資をはじめた頃は、夫婦ともにサラリーマンでした。現在、私は脱サラし、会社代表として大家業を営んでいます。ここでは、ごく一般的な共働き·子育て世代で、特別なスキルや知識のなかった私たちが、賃貸アパートのオーナーになるにあたって直面した、さまざまな問題や打開策、現在のリアルについて書いていきたいと思います。
これから不動産投資を考えている方、さらにもう1件物件を増やそうと考えている方へ、私自身の実体験や大家仲間から得られる生の情報をお届けします。特に、私たち夫婦のようなサラリーマンかつ現役子育て世代には、不動産投資が身近となり、新しい収入の柱となる可能性を感じてもらえたら嬉しいです。
物件検索から、購入方法、購入後の経営までわかりやすくお伝えしていきます。
この記事を通して、不動産投資に必要なスキルや、あなたにあった投資スタイルのヒントなどを得て、不動産投資への一歩を踏み出すお役に立てられれば幸いです。
今回は「不動産投資をはじめたきっかけ」や「物件探しの具体的な行動」についてお話しします。
私が賃貸経営を考えはじめたのは38歳の時です。当時は、
- 職場での過労
- 夫婦関係の悩み
- 長男の難病発覚
という、三重の問題に直面していました。
「定年まで頑張れない。違う稼ぎ方を見つけなければ」と強く感じましたし、難病である長男の未来のために、安定した収入が必要だとも思いました。
これらの困難を乗り越えるために、新しい道を模索していた際、とある本に出会います。そこではじめて「不動産投資」を知り、可能性を見出しました。「不動産投資なら、再現性も高く安定した収入が見込めますし、肉体的な疲れも心配しなくていい。理想的な収入源になる」と思ったのです。
早速、夫婦で不動産投資の勉強会に参加し、基本的な知識を身につけました。そして、学んだことを実践すべく、物件探しをスタートさせます。
物件探し
情報サイトから物件を探す
物件検索は、以下を毎日実践しました。
- 「楽待」「健美家」「レインズ」などのサイトを活用
- 検索条件を入れて、希望の物件があるか調べる
- 翌日以降は、新着物件が出ているかチェック
各サイトでは、毎日おおよそ3、4件の新着情報が入ってきていました。
どのような物件が欲しいのかあらかじめ決めておく
不動産投資用の物件は「収益物件」と呼ばれます。収益物件の中から「自分がどのような物件を購入したいのか」を、あらかじめ決めておくことが重要だと思います。情報サイトには、物件情報は数限りなくありますし、タイプも価格もさまざまです。
例えば中古車を購入するときも、自分の好みで車の候補を絞っていきますよね。それと同じように、自分の状況に合わせて条件を決めていきました。
物件の条件1:アクセスの良さ
夫婦とも物件購入後には、自分たちがいつでも現場に行くことができることを重要視していました。人によっては、管理会社に任せておけばいいと思う方もいると思います。しかし、実際に見に行くことで、ライバル物件の状況や周辺の環境の変化に気づくことが多くあります。
物件の条件2 : 利回り12%以上
本業が忙しいこともあり、物件購入後に入居者づけの心配をしなくてよいことや、すぐ収益化できることも物件を選ぶ際の重要項目と考えていました。
表面利回りは、はじめ約10%以上で考えました。その理由は、物件の管理費や修繕費などの運営費用、ローン返済、空室リスクを考慮した際に、収益が安定して確保できるためです。10%以上の表面利回りであれば、実質利回りに換算しても6~8%程度の収益を見込めるため、投資リスクを抑えつつ安定した収入が期待できると考えました。
慎重派の私たちは、より安定した収益を得るために、12%以上で探し始めることにしました。「もし、希望物件が少ないようであれば、利回り10%以上に変更して検索しなおそう」と夫婦で決めたのです。
情報サイトでの物件検索条件
以上のことから、検索条件を次のように設定しました。
- 自宅近くのある県とその周辺の県(合計3県)に絞る
- 自宅から90分圏内(有料道路での移動もOKとする)
- 中古物件
- 戸建かアパート
- 表面利回りが12%以上
ちなみに、当初は以下の4つはあまり重要視しませんでした。
- 築年数
- 最寄駅からの距離
- 建物の構造
- 価格
「築年数」「最寄駅からの距離」「建物の構造」は、条件を良くすると利回りが悪くなります。利回りが悪くなると、結果的にローン返済や諸経費を引いた後の手残り金額が少なくなります。収入が少ないと、ローン返済ができるのか不安になり、本業へ悪影響を及ぼしかねないと考えました。
「価格」についても、希望通りの融資が出ればいいと考えていたので、はじめのころは特に気にせずにいました。
気になる物件が出たら資料請求、その時に大切にしていたこと
毎日の検索で、気になる物件が出たら資料請求をしました。この時私たちは「情報提供元が地場の不動産会社であること」を重視しました。地場の事務所は訪問しやすく、希望物件のエリアの土地勘があると考えたからです。
資料請求後、不動産会社訪問へ
資料請求後は、不動産屋から該当物件の情報が送られてきます。内容は、
- 物件概要書(土地や建物の広さや構造、住所、利回りなどが書かれています)
- 謄本(土地·建物の詳細情報が載っていいます。現在の所有者までの変遷もわかります)
- 公課証明書(土地や建物などの評価額が載っています)
- レントロール(物件の現在の入居状況や家賃などが載っています)
- 地積測量図、住宅地図など
提供される資料は、その時によって変わります。
資料が届いたら、情報提供に対するお礼と同時に事務所へ訪問可能かを確認しました。夫は営業職だったこともあり、返信の対応の良し悪しを重要視していたのです。
もし不動産会社が私たちの訪問を断る場合は、以降のやり取りはしないつもりでしたが、幸い、そのような業者はありませんでした。
ちなみに、資料請求をしてから資料が届くまでの時間も会社によって全然違います。あまりにも返事が遅いところとは、後々のことを考えると取引しない方がいいかもしれません。
不動産屋への訪問時のチェックポイント
不動産屋への訪問時には、以下のポイントをチェックしました。
- 営業担当の対応
- 事務担当の対応
- 事務所のトイレの清潔感
- 会社全体の雰囲気
私は、法人開拓の営業を経験しています。当時、社内が清潔だったり、事務や営業問わず社員の対応が良かったりする会社はやはり、取り扱っている商品を大切にしていますし、お客様からの信頼度が高いという印象がありました。アフターフォローも丁寧です。
実際、雰囲気の良い不動産会社には、良い物件情報がたくさんあるように思います。また、物件を購入して終わり、ではなく、その後も良い関係を築けていけると思います。
私たちは、当時抱えた三重の苦難から脱却すべく、不動産投資を学び、実践中です。物件検索から不動産会社との関係構築まで、毎日コツコツと行動を積み重ねていけば、理想の物件に出会う準備が整えられると思います。
次回は、運命の物件との出会い、実際に購入に至るまでの詳細な過程についてお話ししたいと思います。
どうぞお楽しみに!